診断名はあまり気にしなくていい

精神障害には、医学的に、さまざまな障害がありますが、ストレスとの関連で、職場でよくみられるのは、うつ病パニック障害などの不安障害、適応障害かと思います。

診断名を気にされる方が多いですが、多くの臨床心理士は、診断名は参考にする程度で、あまり気にはしていないと思います。

臨床心理士が考える精神障害は、こころを丸いボールにたとえると、丸に近い状態が健康、ストレッサー、重荷によってボールが潰された状態がメンタルヘルス不調で、ボールに亀裂が入ったり、破れたりして、潰れてしまった状態を、精神障害と考えます。

図2

まずは、その人自身や、その人の苦しみ、しんどさに目を向けてあげて

ストレッサーが大きな力でボールにぶつかることによって破れることもありますし、重たい重荷がボールの上に長く乗っていたためにボールに亀裂が入ることもあります。

とげや角のあるストレッサーがぶつかって、ボールに穴があいてしまうことがあるかもしれません。ボールに柔軟性がなくて亀裂が入ることもあるでしょうし、ボールが破れやすくなっている場合もあるかもしれません。また、ボールが破れて潰れた結果、身体や、思考、感情、行動面にさまざまな症状が出現します。

こころのボールが破れ潰れた原因は何か、ボールに亀裂が入っただけなのか、破れてしまったのか、その結果どんな反応、症状が出たのかで、さまざまな診断名がつくことになります。

医師は、精神障害を治療することが仕事なので、適切な治療法を見出すために、原因や経過、症状から、診断名をはっきりさせる必要があります。

臨床心理士は、精神障害という、ボールが破れて潰れた状態に苦しんでいる、その人そのものに目を向けて、その苦しみを和らげ、その人が少しでも楽に暮らせるようになることを考えますので、診断名によって、対応が大きく変わることはありません。

ご家族の方や職場の方も、診断名に気をとられることなく、まずは、その人自身や、その人の苦しみ、しんどさに目を向けてあげてください。

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この記事を書いた専門家

圓山一俊
圓山一俊㈱ホリスティックコミュニケーション
◆資格:
日本臨床心理士資格認定協会認定 臨床心理士第1716号
日本催眠医学心理学会認定 認定催眠士第21号

◆所属学会:
日本催眠医学心理学会
奈良県臨床心理士会会員

◆活動状況〈得意分野〉:
国立病院機構やまと精神医療センター心理療法士として35年、医療臨床に従事する。その後、奈良県介護・福祉人材定着支援事業、紀伊半島大水害被災者支援、大和郡山市市民相談など、臨床心理的地域援助活動に携わり、現在は、ホリスティックコミュニケーション奈良カウンセリングルーム室長として、産業臨床に従事している。

◆主な実績:
登校拒否に関する社会医学的研究で医学博士を取得。その他、神経筋肉系心身症や不安神経症の心理学的治療、介護労働者の介護負担、統合失調症の認知などに関する研究に従事し、研究論文を発表している。