ストレスを抱えた子どもは行動に現れる

突然の出来事にあったあと、子どもにはこれまでと違う様子がみられるかもしれません。

ストレスを抱えた子どもは、その反応を言葉ではなく、行動に現わすことが多いと言われています。

それらの反応は、不安な状況がもたらす心身の反応であり、異常な反応ではありません。

つまり『異常な状態に対する正常な反応』です。以下のような反応が現れることがあります。

【行動の変化】

  • 赤ちゃん返り(おもらし・指しゃぶり)
  • 甘えが強くなる
  • 親のそばから離れたがらない
  • そわそわして落ち着きがない
  • 反抗的になったり乱暴になったりする
  • 災害を連想させるような遊びをする
  • 1人になることや知らない場所や暗い場所や狭い場所を怖がる

【こころの変化】

  • イライラして機嫌が悪い
  • 小さい物音にびっくりする
  • 突然興奮したりパニック状態になる
  • 泣いたり落ち込んだり感情が不安定になる
  • 表情が乏しくなったり感情がなくなったかのように見える

【からだの変化】

  • 食欲がなくなったり食べ過ぎたりする
  • 寝つきが悪くなったり何度も目が覚めたりする
  • 悪い夢を見たり夜泣きをする

このような反応が見られたら、次のような対応をしながら様子を観てみましょう。

子どもの話をよく聞く

現実にはないような話をしても否定せずに耳を傾けます。その上で、子どもが安心できるような言葉をかけてあげましょう。

(「心配なことがあったら何でもいってね。」「大丈夫だよ。」など)

ただし、話したくなさそうなときは無理に聞きださないようにします

  • 家族といる時間を増やす。
  • 食事や睡眠などの生活リズムを崩さないようにする。
  • スキンシップを増やす。
  • 災害を連想させるような遊びは、ケガなどの心配がない限り見守る。
  • 災害後の気持ちやからだの変化はやわらいでいくことを伝える

※もし、反応が長引いたり、何か気になることがあるときは、相談機関に相談しましょう。
※保護者のこころの健康を保つことが、子供の安心感につながります。

護者自身も意識してからだを動かすようにしたり、誰かに話を聞いてもらったりして、心をリラックスさせることが大切です。つらいときは抱え込まずに相談機関に相談しましょう。

(参考文献)
  • 奈良県臨床心理士会監修(2011)『突然の出来事(災害・事故・事件等)にあったときこころのケアハンドブック』
  • 宮崎県精神保健福祉センター(2016)『災害時こころのケア活動マニュアル』