(2) 発達障害(特性)のタイプ ①自閉症スペクトラム障害(ASD)

発達障害(特性)には下図のように大きく3つのタイプがありますが、その境界はあいまいで、1人の人が複数の特性をあわせ持つこともあり、かなりの個人差があります。

発達障害のある人に対する「努力が足りない」「変わった性格」などのような誤解や、発達特性への理解不足から生じる周囲の人の不満やストレスを軽減するためにも、本人や周囲が、下図のタイプの特性を理解することで、障害特性への理解につながり、さまざまな工夫で対応していくことが可能になります。

自閉症スペクトラム障害ASD、学習障害LD、注意欠如・多動性障害ADHDの図

自閉症やアスペルガー症候群は、国際的な診断基準(DSM-5)では、自閉症スペクトラム障害といわれています。

自閉症スペクトラム障害の特性

自閉症スペクトラム障害の人の特性として、

  1. 社会的・相互的な対人関係の障害
  2. コミュニケーションの障害
  3. 興味や行動のこだわり

などがあげられます。

1.社会的・相互的な対人関係の障害

大きく4つのタイプに分けることができます

① 孤立型・・・他人とかかわることに関心がなく一人を好みます。

いつも1人で行動したり、視線を合わせようとしない、などの特性があります。

② 受動型・・・他人からの働きかけには素直に応じますが、自分からは積極的にかかわろうとしません。

いやなことも受け入れてしまい、パニックを起こす、などの特性があります。

③ 積極奇異型・・・状況にお構いなく積極的に相手にかかわろうとして、

迷惑に思われていることに気づかない傾向があります。

一方的に話し続ける、同じことを何度も言うなどの特性があります。

④ 尊大型・・・自分の意思や主張を強圧的に押し付けて相手を不愉快にさせたり、

傷つけたりして、ハラスメントと誤解されることがあります。

人を見下したような言い方、何でも形式的に進めようとするなどの特性があります。

2.コミュニケーションの障害

相手の言うことや感じていることを理解したり、自分の思いや意見を相手に伝えたり

することが困難な人がいます。比喩やたとえや冗談が理解できずに文字通りに受け取る、

代名詞(それ・あれなど)が示すものが分からない、などの特性があります。

3.行動と興味の偏り

特定のものごとに強いこだわりがあって、変化を嫌い、柔軟な対応が苦手です。少しの

変化でもパニックをおこすことがあります。物事を決まった手順どおりに行わないと気が

すまない、自由時間や何をしてもよい場所が苦手などの特性があります。

※次回に続きます。

参考文献:『発達障害の職場の理解と支援ガイド』

(一般財団法人 地方公務員安全衛生推進協会)

この記事を書いた人は

小松泰子
小松泰子
◆資 格:
臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士

◆所属学会:
日本心理臨床学会・人間性心理学会
奈良県臨床心理士会会員・大阪府臨床心理士会会員

◆活動状況:
高齢者・障害者福祉分野の直接支援や相談支援に従事した後、心理臨床に携わる。専門はパーソンセンタードアプローチ・コミュニティアプローチ。地域の若年ひきこもり者への訪問支援やエンカウンターグループ・プレイバックシアター(心理劇)を通じての地域支援を行ってきた。
現在は産業臨床および学校臨床に従事している。