予期しない突然の出来事は誰にでも起こりうる

私たちは、日々を暮らす中で、時として予期しない突然の出来事に遭遇することがあります。

大きな災害・事故・事件などがそれにあたります。

普段、私たちはそのようなことを意識しないで生活していますが、実は誰にでも起こりうることでもある、と言えます。

そのような突然の出来事にあった時、人のからだやこころは、普段とは違った反応が起こります。

  • そのことをどう理解するか?
  • 自分でどのような対処ができるのか?
  • 身近な人に起こったときにどう支えていったらいいのか?

などを数回に分けてお伝えしたいと思います。

今回は、突然の出来事(災害・事故・事件など)にあったときに、こころに何が起きるのかをお伝えします。

私たちは、大きな災害や事故、事件を体験すると『死ぬかもしれない』といった恐怖やショックを感じることがあります。
このようなときに、私たちが受けるストレスには、大きく3つの種類があるといわれています。

直接ストレス

これは、災害・事故・事件などそのものによるストレスです。

実際には体験していない想像の恐怖(テレビで映像を繰り返し観た、など)やショックによるストレスも含まれます。

現れる症状としては

  • 思い出したくないのに、いやなことを思い出す。
  • 怖い夢を見て目が覚める。
  • 感覚がとても過敏になる。
  • 関連するニュースなどに恐怖感を覚える。
  • また、同じようなことがおきないかと不安になる。
  • その時のことが、よく思い出せない。
  • ボーっとして何も手につかない。
  • 知らず知らずのうちに、災害・事故・事件などに関わることを避けている。

(子どもの場合)

  • お母さんにいつもより甘えてそばから離れない。
  • 1人でできていたことができなくなる。(小学校低学年くらいまで)
  • いつもよりはしゃぎまわる。
  • いらいらして人やものにあたる。(小学校中学年以降から)

喪失ストレス

これは、災害・事故・事件などによって大切な人やもの、場所、思い出などを失ったことによるストレスです。

現れる症状としては

  • なぜ自分にそのようなことが起こったのか、悔しくて仕方ないと思う。
  • 周りのものに怒りの気持ちが湧いてくる。
  • 悲しく涙が出てやりきれない。
  • もう何をしても無駄だと思う。
  • ひとりぼっちになってしまったように感じる。

生活変化によるストレス

これは、災害・事故・事件などのあとの、日常生活の変化や、不自由な生活や将来の不安などが継続することから生じるストレスです。

具体例としては、生活環境(住まい・仕事・学校など)の変化・家族関係の変化・対人関係の変化・経済状況の変化・災害や事件や事故などに対する中傷、うわさ、過剰な報道などがあげられます。

現われる症状としては

  • 体調がすぐれないことが増えた(頭痛、腹痛、風邪を引きやすいなど)
  • やる気が出なくて、いろんなことが手につかない。
  • 自分はだめな人間だと思う。
  • いらいらして人やものについあたってしまう。
  • どうでもよいことに熱中してしまう。
  • お酒の量が増える。
  • 間食が増える。
  • 不必要なものを買い込んだりする。

これらのストレスは、体の不調のほかに、次のような行動として現れることがあります。

  • 怒りや絶望の気持ちが自分に向かうと、自分自身を傷つけたり、自殺しようとしたりという行動に出ることがあり、他者に向かうと粗暴な行動になることがあります。。
  • ストレスから逃れようとして、飲酒・ギャンブル・買い物などの依存症になることがあります。

大変な出来事にあうと、人は誰でもショックを受けます。

『こんなに大変なことがあったのだから、いつもと違うことが自分の中で起こったり、調子を崩すのはむしろ当たり前のことなんだ。』
と理解し、本人に伝えることが必要です。

一方で、人は困難にぶつかっても回復する力が備わっているようです。

まずは、安全と安心感を保障することが大切です。

この記事を書いた人は

小松泰子
小松泰子
◆資 格:
臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士

◆所属学会:
日本心理臨床学会・人間性心理学会
奈良県臨床心理士会会員・大阪府臨床心理士会会員

◆活動状況:
高齢者・障害者福祉分野の直接支援や相談支援に従事した後、心理臨床に携わる。専門はパーソンセンタードアプローチ・コミュニティアプローチ。地域の若年ひきこもり者への訪問支援やエンカウンターグループ・プレイバックシアター(心理劇)を通じての地域支援を行ってきた。
現在は産業臨床および学校臨床に従事している。