意味ある1つのまとまった全体像として構成し、認識する

ゲシュタルト療法は、精神分析医フレデリック・パールズ(Frederick S.Perls)とゲシュタルト心理学者であった妻のローラ・パールズ(Laura Perls)によって創られました。

「ゲシュタルト」とは、「まとまった」「全体性」「統合」という意味を表すドイツ語です。

ゲシュタルト療法は、人間は外部の世界をバラバラな寄せ集めとして認識するのではなく、“意味ある1つのまとまった全体像として構成し、認識する”というゲシュタルト心理学の視点を基本にしています。

フレデリック・パールズ

フレデリック・パールズ

ゲシュタルト療法では「気づき」を大切にする

フレデリック・パールズ(以下パールズ)は、ゲシュタルト療法を「今、ここ」中心の「実践的な心理療法」であると表現しています。

それまでの伝統的な心理療法は、クライアントの過去に問題があると考え、その問題を解決するために生育歴などを分析して解決することが目標でした。

しかし、パールズは、クライアントの本当の問題は、昔あった問題を「今、ここ」に引き続き持ち続けていることに原因があると考えました。

ゲシュタルト療法の目標は、クライアントが現在の「未解決な問題」を手放し、明日や来年、もしくは将来起こってくること、そして、「今、ここ」のいかなる問題にも対応し得る方法を身につけることです。

そのために、ゲシュタルト療法では、「気づき」を大切にします。

文献:「気づきのセラピー はじめてのゲシュタルト療法」百武正嗣著 春秋社