考え方のクセを修正するには

悪循環を断ち切り、自動思考を肯定的なものに変え、気分を楽にするためには、考え方のクセを修正して、起こった出来事を、悪くはない、良い事かもしれないと判断させるようにします。

思い込みに対しては、そんなに壊滅的な状況か、一度や二度で決めつけることはないと、自分の失敗やマイナスへの過大評価を修正します。白黒思考には、どこまでできている、100点満点で何点くらいできたと、灰色部分を意識できるようにします。

べき思考については、こうあったらうれしいけど、そうでないときもあるよなと言い換えます。自己批判に対しては、今回は運が悪かっただけ、次はもっとうまくやろう、やれると言い聞かせます。深読みには、実際に言われてから考えようとか、誰もそこまで他人のことは見ていない、先読みについては、先のことはわからない、今できることをやろうと、わからないことにとらわれないようにします。

4つの視点からみてみる

考え方のクセへのとらわれをなくし修正するには、少し距離を置いた4つの視点から質問が有効です。

第1は、「友達が同じような考えをしていたら、どう言ってあげるだろうか?」「自分が尊敬する先輩だったら同じように考えるだろうか?」「このように考えていることを知ったら友達はなんと言うだろうか?」など、第三者の視点です。

第2は、「証拠はあるのか?」「事実に基づいているか?」など、事実を見ているかという視点です。

第3に、「過去や未来の自分だったら違う見方をしていないか?」「以前にも似た経験はなかったか、似た経験をした人はいなかったか?」など、別の考え方ができないかという視点です。

第4は、「この考えは目標を達成するのに役立つか?」「問題や悩みの解決に役立つか?」「この考えは好ましい気分をもたらすか?」など、この考え方は有効かという視点です。

この記事を書いた専門家

圓山一俊
圓山一俊㈱ホリスティックコミュニケーション
◆資格:
日本臨床心理士資格認定協会認定 臨床心理士第1716号
日本催眠医学心理学会認定 認定催眠士第21号

◆所属学会:
日本催眠医学心理学会
奈良県臨床心理士会会員

◆活動状況〈得意分野〉:
国立病院機構やまと精神医療センター心理療法士として35年、医療臨床に従事する。その後、奈良県介護・福祉人材定着支援事業、紀伊半島大水害被災者支援、大和郡山市市民相談など、臨床心理的地域援助活動に携わり、現在は、ホリスティックコミュニケーション奈良カウンセリングルーム室長として、産業臨床に従事している。

◆主な実績:
登校拒否に関する社会医学的研究で医学博士を取得。その他、神経筋肉系心身症や不安神経症の心理学的治療、介護労働者の介護負担、統合失調症の認知などに関する研究に従事し、研究論文を発表している。