臨床心理士が考える精神障害
精神障害は身体の病気です
精神障害という名前から、気持ちの問題、精神力の問題と考えられがちで、精神障害の診断がくだされると、自分の精神が弱いから、自分が病気を作っている、しんどさに甘えていると、自分を責める人が多くいます。でも、…
精神障害という名前から、気持ちの問題、精神力の問題と考えられがちで、精神障害の診断がくだされると、自分の精神が弱いから、自分が病気を作っている、しんどさに甘えていると、自分を責める人が多くいます。でも、…
今年最後の三連休、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
私は2週間後に迫った金沢マラソンに向け、コースの試走を兼ねて30km走を行いました。
昨年は途中でリタイアをしてしまったのですが、今回の試走ではその場所を越え、ゴール地点まで走りきったことで、1年前に失った自信を少し取り戻すことができたような気がします。
今年こそはゴール後においしくお酒を飲みたいものです。
それでは今月は、「心の回復力と周囲のサポート」ということでお話しをします。
レジリエンス(心の回復力)を高める要因のひとつとして、自分が窮地に追い込まれた時やいざという時に、
といった周囲に自分のことをサポートしてくれる人がいること、あるいはそういった存在を感じられることが挙げられます。
このことを担保するレジリエンスに関する研究として、ハワイのカウアイ島で『高リスク家庭』(両親と死別しているあるいは離婚しているなど、通常の過程と比べてストレスフルであると考えられる家庭)に生まれた子どもたちを対象に、1~2歳・10歳・18歳・32歳・40歳になるごとに追跡調査が行われました。
この調査結果からは、
『高リスク家庭』で育った子どもたちは、こころの病や家出や非行などの行動上の問題が生じやすいことが考えられたそうなのですが、その また私自身の経験で恐縮なのですが、周囲のサポートを実感することになるエピソードがあります。
数年前の話ですが、自分の考えの浅さがきっかけで、これまでお世話になった人たちとの関係がこじれてしまいました。
相手からのメッセージに込められていた怒りの感情に怖れ、許されたくて、自分の思いを弁解しようと連絡を取ろうと試みるけれども、連絡を拒否される不安、 もうどうにもならないと悟り、気分が落ち込んで憂うつな気持ちになる一方で何事もなく育った対象の子どもたちに共通して見られた傾向として、
親あるいは祖父母やおじ・おばなど少なくとも1人の家族と強い絆を感じていること、同じ地域に住む先輩や友人・教師がよき相談相手なり、感情的なサポート受ける機会が多かった
という結果が得られました。
また私自身の経験で恐縮なのですが、周囲のサポートを実感することになるエピソードがあります。
数年前の話ですが、自分の考えの浅さがきっかけで、これまでお世話になった人たちとの関係がこじれてしまいました。
相手からのメッセージに込められていた怒りの感情に怖れ、許されたくて、自分の思いを弁解しようと連絡を取ろうと試みるけれども、連絡を拒否される不安、、、
もうどうにもならないと悟り、気分が落ち込んで憂うつな気持ちになる、不眠や落着かない気持ちになる。。。
といったような状態に陥ってしまった時、その状態を受け入れ、話を聴いてくれたり、自分の気持ちを安心させる言葉をくれたりしたのは妻でした。
当時をふりかえってみると、この出来事が起こるまでは、仕事のことやそれに関する悩み事を家族や、周囲の人に話をすることはしてこなかったし、誰かに相談をしなくても自分は気持ちの切りかえが上手で、心の回復力はそれなりに高いように思いこんでいました。
しかしこの経験をしたことで、普段は自分が頼らなくても、いざという時には自分のことを支えてくれる存在がいること
に気付かされ、それが現在の自分の心の回復力に大きな影響を与えているように思います。
ちなみに周囲のサポートは家族や友人・職場の上司や同僚などの身近な存在、日常的にコミュニケーションを取ることができる人だけでなく、普段中々会えない人(幼い時に自分のことをかわいがってくれた人・学生時代の恩師など)が支えとなることもあります。
私自身もそうでしたが、自分はひとりであると思っていたとしても、周囲には自分のことを自分が想像している以上に思ってくれる人がいるかもしれませんよ?
今、自分の中で抱えている悩みや問題がありましたら、誰かに手放してみることを試したり、
「あの人なら何て言うだろうか」
「きっと分かってくれる・心配してくれるはず」
と思いをめぐらせてみたりしてみませんか。
周囲には自分を支えてくれる存在があることに気付く・あるいはそういう資源を見つけられるといいですね。
参考文献
久世 浩司(2014)「レジリエンスの鍛え方」 実業之日本社
(文責:宮前 石川県駐在カウンセラー)
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