発達障害は、まだ原因のすべてが明らかになっているわけではありませんが、脳機能のアンバランスさにあるとされています。そのため特定のことには優れた能力を発揮する一方で、ある分野は極端に苦手といったことが生じます。得意なことや苦手なことは、大なり小なり誰にでもありますが、発達障害の特性のある人はその差が非常に大きいため、日常生活や仕事を進めるうえで困難が生じています。
今回は発達障害の人に接する基本的な対応についてお伝えします。

① 具体的なことを明確に伝える
「あれ」「それ」「これ」といった指示語や、「ちょっと」「すぐに」「きちんと」などのあいまいな表現を理解できない人が少なくありません。明確に指示をしないために、悩んで行動を起こせなかったり、間違った解釈で自分勝手に進めてしまうことがあります。

指示語ではなく具体的な言葉を使いましょう。口頭の説明に加えて、文字や図にして、見てわかりやすくするのも一つの工夫です。
例:「すぐに」→「3時までに」
「きちんとやる」→「誤字がないか確認してから提出」など

② 予定や進行の変更はすぐに伝える
急な予定な変更があると、その後どうすればよいかわからなくなり、不安で混乱したりパニックになったりする人もいるため、予定や進行の変更は早めに伝えます。

③ 指示は一つずつ出す
一度に複数のことを指示されたり、仕事の途中で別の仕事を頼まれたりすると何を優先したらいいのかわからず混乱することがあります。

指示を出す人を一人に決めて、一つの仕事が終わってから次の指示を伝えるのがベストです。複数の指示を出すときは、優先順位を面核に伝えて、本人から定期的な報告を受けるようにしましょう。また、伝えている内容が「指示」なのか、自分で判断する余地のある「助言」なのかも伝えると、本人が混乱せずに済むようです。

④ 「こだわり」を理解する
特定の状況や方法に強いこだわりを持ち、いつも同じようにする傾向があります。それを変えないといけない、ということになると不安が強まり、パニック状態になることがあります。

こだわりがあるからこそ結果を出せるという側面もあります。むやみに否定せずに理解するようにしましょう。細部にこだわりすぎて仕事が遅れる場合などには、そこまでしなくても問題がないことを伝え、仕事は納期を守ることが重要なことをきちんと伝えましょう。

⑤ 業務はできるだけ視覚化してわかりやすくする
業務をわかりやすくするポイントは「マニュアル化して見てわかるようにする」ことです。書類作成の手順や報告の内容項目などはいつでも確認できるようにしておきましょう。

このシリーズは、今回が最終回です。
お読みいただきありがとうございました。
現場で対応される方をはじめ、当事者ご本人への支援の一助となれば幸いです。

参考文献:『発達障害の職場の理解と支援ガイド』
(一般財団法人 地方公務員安全衛生推進協会)