人は誰でもショックを受ける

大変な出来事にあうと、人は誰でもショックを受けます。

「こんなに大変なことがあったのだから、いつもと違うことがこころの中で起こったり、調子を崩すのはむしろ当たり前のことなんだ。」と周囲の人は理解して、そのことを本人に伝えたり、自分自身で理解し、まずは安全と安心感を保障することが大切です。

一方で、人は困難にぶつかっても回復する力が備わっているようです。

人が、困難から立ち直るまでの経過には、次のようなプロセスがあるといわれています。

これらのプロセスは一つ終われば、次、といったような順序で進むのではなく、多くの場合、行きつ戻りつしながら進んでいくようです。

否認

頭では理解しようとするが、感情的にその事実を受け入れられない状態になります。周囲は事実によって進んでいくので、そこから距離をとろうとして孤立することがあります。

「これは夢かもしれない。」 「どこかで無事に生きているかもしれない。」

怒り

むやみに他人に怒りを向けて、攻撃的になったり、自分を責めてしまいがちになります。

「なぜ、自分にそんなことが起こらなければならないのか。」

絶望

気分が落ち込んだり、胃腸を悪くしたり風邪をひきやすくなったりするなど、身体の調子が悪くなることがあります。

「希望を失ってしまった。」

「寂しい。」

「悲しい。」

 これらの喪の仕事(失った人や大切なものや思い出を、こころの中に生かす作業)を行きつ戻りつしながら

 受容

「こころの中の思い出とともに生きていこう。」

自分の状態には、なかなか気づけないものです。

まずは、目の前のことに対応することに必死で、自分のことは後回しになってしまうことが多いようです。そして、落ち着いた時には、状況が少し変わっていて、

例えば

・「先のことを前向きに考えよう」という空気になっている。

・いまさら話してもいいのだろうかという迷い。

・一見日常が戻ってきた。

など

自分の気がかりや不調感を人に話す機会を逸してしまうこともしばしばあります。一見些細なことでも、1人では抱え込まず、家族や友人、相談機関などにご相談してください。

ご自分の状態を知る一つの目安として、下記のチェックリストを参考にしてみてください。

ストレス度チェックリスト(SCL)

次の質問に関してあなたが日常感じているものにチェックをつけてください。

□ 1.頭がすっきりしていない(頭が重い)

□ 2.眼が疲れる(以前と比べると疲れることが多い)

□ 3.ときどき鼻づまりすることがある

□ 4.めまいを感じるときがある(以前は まったくなかった)

□ 5.ときどき立ちくらみしそうになる(一瞬、くらくらっとする)

□ 6.耳鳴りがすることがある(以前はなかった)

□ 7.しばしば口内炎ができる(以前と比べて口内炎ができやすくなった)

□ 8.のどが痛くなることが多い(のどがひりひりすることがある)

□ 9.舌が白くなっていることが多い(以前は正常だった)

□ 10.今まで好きだったものをそう食べたいと思わなくなった(食物の好みが変わった)

□ 11.食物が胃にもたれるような気がする (なんとなく胃の具合がおかしい)

□ 12.おなかがはったり、痛んだりする(下痢と便秘を交互にくり返したりする)

□ 13.肩がこる(頭も重い)

□ 14.背中や腰が痛くなることがある(以前はあまりなかった)

□ 15.なかなか疲れがとれない(以前に比べると疲れやすくなった)

□ 16.このごろ体重が減った(食欲がなくなる場合もある)

□ 17.なにかするとすぐ疲れる(以前と比べると疲れやすくなった)

□ 18.朝、気持ちよく起きられないことがある(前日の疲れが残っているような気がする)

□ 19.仕事に対してやる気がでない(集中力もなくなってきた)

□ 20.寝つきが悪い(なかなか眠れない)

□ 21.夢をみることが多い(以前はそうでもなかった)

□ 22.夜中の1時、2時ごろ目がさめてしまう(そのあと寝つけないことが多い)

□ 23.急に息苦しくなることがある(空気が足りないような感じがする)

□ 24.ときどき動悸をうつことがある(以前はなかった)

□ 25.胸が痛くなることがある(胸がぎゅっと締めつけられるような感じがする)

□ 26.よくかぜをひく(しかも治りにくい)

□ 27.ちょっとしたことでも腹が立つ(いらいらすることが多い)

□ 28.手足が冷たいことが多い(以前はあまりなかった)

□ 29.手のひらやわきの下に汗のでることが多い(汗をかきやすくなった)

□ 30.人と会うのがおっくうになっている(以前はそうでもなかった)

この記事を書いた人は

小松泰子
小松泰子
◆資 格:
臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士

◆所属学会:
日本心理臨床学会・人間性心理学会
奈良県臨床心理士会会員・大阪府臨床心理士会会員

◆活動状況:
高齢者・障害者福祉分野の直接支援や相談支援に従事した後、心理臨床に携わる。専門はパーソンセンタードアプローチ・コミュニティアプローチ。地域の若年ひきこもり者への訪問支援やエンカウンターグループ・プレイバックシアター(心理劇)を通じての地域支援を行ってきた。
現在は産業臨床および学校臨床に従事している。