シュタルト療法の2回目です。前回、ゲシュタルト療法では、「気づき」を大切にしますとお伝えしました。では、その「気づき」とは一体どういうことなのでしょうか?今回からは、その「気づき」について見ていきましょう。

その前に、ちょっと実験をしてみましょう。

下の図を見てください。あなたには、何が見えますか?

 

ゲシュタルト1

これは、人は同じ刺激(世界)を見ても、知覚の仕方によって全く違うものとして認識することを示すゲシュタルト心理学のイラストです。

 

先ず、あなたは、「若い女性」を認識したでしょうか?それとも「老婆」を認識したでしょうか?

 

私たちは、同時に2つを認識することは出来ないのです。一時に、どちらか1つしか認識(知覚)することは出来ないのです。これを説明するのが「図」と「地」という概念です。「図」とは、「意味ある形」として認識している時のことを示しています。「地」とは、「図」を認識している時、背景となっている部分のことを示しています。

 

「図」は、あなたが選んだもの、焦点を当てているもの、つまり、あなたが認識しているものです。そして、「地」は、そのために背景となって認識していないもの、知覚しないものとなります。

 

パールズは、気づきの原理をこのゲシュタルト心理学の基本概念から取り入れました。

先ず、あなたは、気づくために、世界の何かに意識を向けて、それに「注意を払います」。そして、それが明確な意味あるもの、つまり「図」になって来た時に「気づき(awareness)」が起こり、他のものは背景「地」になっていくのです。

 

文献:「気づきのセラピー はじめてのゲシュタルト療法」百武正嗣著 春秋社